原監督がFA選手を獲得した際に発生する人的補償の廃止・撤廃を提言しました。
これには賛否両論渦巻いていますが、今回は人的補償は廃止するべきなのか、また改正案を考えていきたいと思います!
FAは悪なのか、これについても議論していきます。
スポンサーリンク原監督・提言「人的補償の廃止」
原監督はFA制度による人的補償の廃止を提言し、物議を醸しました。
「FAで選手を取るというのは、野球界全体の活性化。それはマイナスではなく、プラスな事。明るい話なのに、そのこと(人的補償)になった途端、暗いニュースになる。これはあってはいけない事ですよ」
とコメントを残している他
「人的補償なんて『敵』でしょ。FAですよ?お金をたくさん払うのに、あれはなんのメリットもない。プロテクト28人だよ?ふざけてるよね。これはね、なくす必要性がありますよ。そしたら他のチームも参加すると思う」
とFA制度の活性化を提言。要約すると
人的補償がある事でFA選手を取りづらくなり、獲得に動かなくなってしまう。
同時にFAで他球団移籍に興味を持っている選手は移籍の可能性を閉ざされてしまう。
だからFA移籍するハードルを下げる為にも人的補償はなくしましょう、
というのが原監督の言い分となります。
確かにFA移籍でチームを離れる際には時には「裏切者」と言われたり涙を流してチーム愛を表現したりとハードルの高さを感じさせる事もあります。
しかし人的補償は戦力の均整を保つ重要な補償でもありますから廃止には否定的な声もあるものの
近年、人的補償の欠陥を指摘されています。
中日・岩瀬投手の移籍拒否や巨人・上原投手の自由契約によるプロテクト逃れなど抜け穴が存在しており
ルールの見直しは一考の余地があると思います。
人的補償はなくすべき?改正案を考えてみた
人的補償は
チーム年俸1~3位のAランク選手とチーム年俸4位~10位のBランク選手
を獲得した際に発生します。
年俸上位者、つまりチームの主力を失う代わりに移籍チームから選手を一人獲得できる訳ですがこの制度がなくなると一方的に戦力を失う事となります。
これでは獲得する球団だけが戦力を上げる事になり格差になりかねないので廃止に対する否定的な意見が出てくるのですが
では、人的補償の代わりとなる戦力均整化の仕組みがあれば良い訳です。
そこで私が提案するのは
『ドラフト1位指名剥奪』です。
要するに、FA選手を獲得する場合、次回のドラフトの1位指名権を失うというもの。
ですがこれだけ聞けば
「FAの活性化に繋がらない」
「弱いチームがFA獲得した場合、ドラ1指名できないならプラマイ0だ」
との声が出てきそうですのでもっと詰めて説明します。
ランクや順位でルール変動あり
1位指名剥奪と言いましたが、これには条件があります。
それはAランクの選手を獲得した場合のみ。
Aランクはチーム年俸1位から3位のレギュラークラスです。この選手を失う事でチームの損失は計り知れません。
ですからAランク選手の獲得の時だけ1位指名剥奪とします。
BランクからⅭランクの選手の場合は剥奪はありません。
これなら、FA選手とプロスペクト選手の獲得、どちらを優先するべきか考える余地が出てきますので金満球団であれそう簡単に獲得する事はないでしょう。
逆にB、Ⅽランクの選手は獲得のハードルが下がるので獲得しやすくなりますね。
しかし、Aランクと違いBランクやⅭランクではそもそも需要がない場合もあり、Aランクの選手に抑制をかけると結果FA市場が滞る可能性もありますのでもう一つ提言があります。
二つ目はBクラスのチームは1位指名権剥奪は免除される、というものです。
BクラスのチームはFA選手を獲得してもドラフト1位が取れなければ補強の意味を成さなくなってしまう可能性もあるのでBクラスのチームは1位指名剥奪をプロテクトしてあげれば良いと思います。
セパ両リーグを見ているとAクラス率の高いチームと球団の金銭は比例していますから
金満球団である巨人、阪神、ソフトバンク
といったチームはお金があってもAランクに位置する場合、獲得を渋る可能性が出てきて
逆にヤクルト、中日といった金銭力の乏しい球団は途方もない金額を用意する事もなく獲得に望めるので貧しい球団にも獲得のチャンスが出てきますから
受け皿が減る心配はなくなると思います。
また、Bクラスではあるものの上位チームとゲーム差が詰まっている場合はゲーム差によっても指名剥奪の有無を考えるのもありかもしれません。
スポンサーリンクFA宣言のハードルが高いなら
次に、FA宣言についてなのですが
FA宣言に高いハードルがあるという声がありますが、メジャーと同じように
「自動FA」を導入すれば問題はないのかなと思います。
宣言そのものをなくしてしまうという考え方ですね。
そして残留か移籍の結論を出すのは決まった日付にすべきだと思います。
なぜかと言えば、宣言する日にちがバラバラだと考えている期間が長い場合移籍も模索していると勘づかれてしまうからです。
チーム愛のある選手がFA後、即残留してしまえば悩んでいる選手の立場が悪くなる場合もあるので決まった日付に結論を出すようにした方が負担が少ないのかなと思います。
FAは悪なのか
ここまで人的補償に代わる改正案を見ていきましたが、ルールの在り方は見直す時期に入っているのかなと思います。
しかし、人的補償を「敵」とみなし廃止しようという原監督の考えには少し思うところもあります。
確かにFAは移籍したいチームに行くためのもので、本人の意志で球団を選択したにも関わらず選手がいなくなるからと人的補償で選手を差し出すのは一見しておかしい事ではあるのですが
これはチームバランスを保つために必要な事で何のリスクもなければ資金力のあるチームがひたすら強くなるという構図が予想されます。
よくファンの間で「FAは悪だ」という発言が散見されますが
FA自体は「悪」ではないと思います。
選手によっては子供の時に好きだった球団でプレーしたい、注目度の高いチームで戦いたい、お金が欲しい、今のチームに不満があるから
などなど色んな理由があり、そのすべてを悪と一括りにできない事は理解できると思います。
では、なぜ「悪」という認識がはびこっているのか。
それはやはり巨人に対する反感から生まれているように思います。
巨人は過去に多くのFA選手を獲得しており、貧しい球団は多額の年俸に太刀打ちできず主力を失ってきました。
FA選手を獲得する事自体は正当な権利を行使していると言えますがあまりに獲得し過ぎ若手選手が飼い殺しになっている状況を見ると
それが良識に収まる行為なのかについては議論の余地があるでしょう。
世間の言う「悪」とはFAで選手が移籍するそれ自体を差しているのではなく、
ルールに基づき選手を獲得していると正当な理由を盾にFA選手を乱獲する巨人に対する悪感情なのかと思います。
本当の意味でFAを明るいニュースとして取り上げるには巨人の有り様も見つめ直す必要があるように思います。
スポンサーリンクまとめ
今回は人的補償廃止についてのお話でした。
改正案については問題点もあるでしょうが、色んな議論や解決案があると思いますし
その一つとして見ていただければ幸いです<(_ _)>